2003.11.11
作品応募は締め切りました。
審査結果の発表は12月上旬を予定しています。



株式会社竹中製作所
(株)竹中製作所は日本海に接する富山県の高岡市にあり、古くからの伝統的な金属鋳造職人をコーディネートして仏像、アート作品、建築資材などの開発・生産を続けています。又、(株)竹中製作所はゲート&フェンスに関しては大手メーカーの松下電工(株)、四国化成〔株)、YKK AP(株)へ協力をさせていただいており、いわば職人と大手メーカーを結ぶ役割も果たしています。
今回はその大手メーカーの開発責任者の方々にも審査をしていただきます。
http://www.take.co.jp/

 
 


 
入選発表



第3回デザイントープコンペティションに多数ご応募頂きありがとうございました。今回のコンペでは、ワンマン審査ではなく、審査委員長黒川雅之氏そして審査員企業4社として、松下電工(株)・四国化成工業(株)・YKK AP(株)・(株)竹中製作所によって厳正なる審査が行われました。

テーマである「ゲート&フェンス」を世界10数カ国から、国際色豊かに74作品のご応募を頂きました。

入選発表後のご報告

まず始めに、1月中旬を予定しておりました、画像作品の発表が大変遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
昨年度12月の入選発表後、主催竹中製作所並びに、審査員企業3社にて商品化についての会議が行われました。その結果、残念ながら応募頂きました作品の商品化を進めることには至りませんでした。その後、竹中製作所に於て、入選作品については、社団法人日本デザイン保護協会の「創作デザイン委託制度」を申請し、今後の前向きな発展を検討しております。
最後になりましたが、たくさんのご応募頂き有り難うございました。今年も第2回ゲート&フェンスの開催を予定しております。ゲート&フェンスの革命を起こすが如く、皆様の素晴らしいご提案をお待ちしております。

審査員総評

黒川雅之
思想とイメージが豊富な提案と現実性のある提案と夫々興味深い提案が多く寄せられた。グランプリになった提案はフェンスのもつアンチ・ヒューマンになりがちな性向を見事にかわして人の刻印を残して流麗な美しさを持つ提案である。準グランプリの提案はそのまま商品になる構成を持ちながら半透明の軽量な箱とそこに充填する土によって適度な重量を得て、ただ置くだけでフェンスになり、しかも土の中の根までもかすかに見せる含みの多いすぐれた提案である。
現実に商品開発の可能性を求めてのコンペであり、現実に数多くのゲートとフェンスの商品を販売する各企業からの開発担当者が真剣に商品化の可能性を考え、同時に思想性のある、示唆に富む提案を探し、多くの議論が交わされてこの審査の結果に到達することができた。
多くの応募者の真摯な探求に感謝する。

松下電工株式会社 杉山新一郎
今回の課題「ゲート&フェンス」についてのアイディア期待は「人と人との関わり合い」や「生活」「環境」を踏まえたもので「製品化できるアイディア」であった。数多くの提案の傾向は植物との共生を考えた作品が目についた。

その中でグランプリ作品「ウエーブ」は作者が幼少の頃抱いた心地よさと感動を見る人や触れる人の心に伝える良い作品である。平面に組まれた線材が3次曲線を織り成し、そのウエーブの美しさはワイヤーチェアーを思い起こさせる。完成度の高いウエーブは街並みに自然な動きを与え、通る人の興味をそそり、コミュニケーションを与えるのではなかろうか。メーカーの立場としてどのようなウエーブが美しく街並みに解けこむかを追求する必要があるが、実現性が高く、興味深い作品である。

また準グランプリの「envi」は透明な箱の中に植物を入れ、積み上げていく方法で、今までにないデザインが期待できるであろう。植物の土の中の様子や水の中の様子が醸し出す雰囲気が外の外観や通行人に対しどのような影響を与えるかは、不安があるが、それも植物の選定と配置次第で解決できるかもしれない。箱は工業製品として現状技術で十分製品化は可能だが、植物を工業化するのは困難であり、この提案が成功するためには植物をよく理解している人に委ねることになるであろう。

四国化成工業株式会社 多田憲司
今回のコンペを振り返ってみると、作品全体に立体感の有る提案が多く、また、植栽を絡ませた緑・花をセキュリティと両立させている点が多いことが伺える。作品の中にはフェンスの持つ人の侵入を遮る柵のイメージを一般的な垂直面に施すのではなく、平面上に凹面を配置し、水によりその機能を持たせる物などユニークな作品もあった。
グランプリに輝いたウェーブは、既設のありふれたメッシュタイプフェンスが人の寄り掛かる動作により、形態が変化すると言う動態デザインの提案で、メッシュタイプフェンスが持つ画一的で薄っぺらな外柵イメージを立体的且つリズム感のある楽しい外柵を演出する事を示唆している。商品化にあたっては、動きの点からも素材・構造面でかなり難しい提案であるが、今後のフェンスを作る上で、現状の外柵イメージを払拭する作品として評価した。
また、準グランプリの作品ではプランターの機能を活かしたユニット化提案であり、プランター自体を半透明にした面白みや、扇状の本体を組み合わせる形状のデザイン性が優れている。

YKK AP株式会社 豊岡 謙
今回のインターネットによる国際コンペティションは、海外10ヶ国以上の応募があり、まさに国際コンペとして評価ができる。また、作品に「動き」が表現されたものもあり、本コンペの特性が生かされていたように思う。
課題「GATES&FENCES」は、「場と領域」「公と個」「内と外」「時間軸での変化」等、想定されるシーンの設定とその仕掛けに関心を持った。
内容的には、実現性の高い案、概念的イメージの強い案、展開や広がりが感じられる案、可能性を追求した案・・・等々多彩であり、興味を誘われるものが多々あった。
そうした中にあって、グランプリ 「ウェーブ」は、自身の幼年期の体感を素直に表現してみたいという発想から、メッシュ線材の持つ変形への特性に着目し、人との親和性を前面に打ち出すと共に、フェンスに息吹を与えるかのごとき発展性が感じられる点を、評価した。また準グランプリの「envi」は、透明の素材を用い、固定する為の砂利、砂、土といったフレキシビリティな材料を注入する点、その重量により重ねる点の面白さに強く惹かれた。植栽を設定する事で、根のもつ生態的な構造を理解させる意図もあるのかと解釈した。

株式会社竹中製作所 近藤明正
当社にとっての今回の国際コンペの意義は、商品開発協力、製造協力している (いわゆる下請けしている)竹中製作所が、ウェブサイトを利用した国際コンペ を提案し、顧客先である松下電工、YKK AP、四国化成工に審査へ加わっていただいたことである。期待することは応募作品の中から新しい商品が生まれることである。今コンペでは賞にもれた作品も商品化を検討するが、商品化を期待できるものも多かった。今回グランプリに選ばれた作品は、メッシュの可能性に「しきる」という機 能とやすらぎをうまく取りいれていると思う。準グランプリの作品は、スケルトンの素材を使用し、重さを綺麗に表現している。重さで「しきる」ということを表現し、植物の緑で安らぎを感じさせる作品である。
今後もコンペは続けるつもりである。またすばらしいアイデア、商品化可能な作品が寄せられることを期待している。



(クリックすると受賞作品をごらんいただけます)


グランプリ

作品名:ウェーブ
作者:田崎佑樹

作品について
幼い頃、線材でできたフェンスに体を寄りかかせているうち自分のカタチになった、そこに身を預けることが心地よかった。公私を仕切るだけのフェンスに線材の粗密を利用したwaveから人のカタチが映し出される時シームレスなフェンスに表情と人の温もりが現象化する。 素材はステンレスメッシュ、ウェーブ状のエリアは線材の編み目が薄くなっており変形しやすくなっている。加工法は既存の線材フェンスをウェーブ状の粗密ができるように線材を抜く。

受賞の感想
最高にうれしいです。日頃指導して頂いている先生方、皆々様ありがとうございます。この作品の可能性を理解して頂いた審査委員長である黒川雅之氏に感謝しています。

プロフィール(略歴)
田崎佑樹(タザキ ユウキ)
1977年 愛媛県松山市生まれ
2000年 university of Massachusetts at Boston 入学
2001年 帰国、現在ICS college of arts インテリアデザイン科在籍


準グランプリ
作品名:envi
作者:Arkadiusz Szenfeld(ポーランド出身)

作品について
ゲート&フェンスは、ただの囲いとしての機能ではなく、環境を美しく見せることである。今回のプロジェクトは、自然の色や素材を使用することによって美しく見せる。それぞれのパーツは、変化を催すことが可能で、透明なポリプロピレンから作られている。それらのパーツを自由に配置することによって、空間を思いのままにアレンジすることが可能である。また、砂利、砂、土等をポリプロピレン製のパーツ内に入れることで、十分な安定性を確保できる。これらの様々な色のパーツの組み合わせによって、抽象的な美しい作品製作も可能である。花や植物によって上部を装飾する事もでき、道路を美しく彩る事ができるプロジェクトである。更に、木製の素材をシートとして追加することによって、ベンチにもなる。ベンチと花のフェンスを使う人々へ休息を与えることでろう。

受賞の感想
準グランプリを受賞できて大変光栄です。審査員及びグランプリの方へお礼申し上げます。今回の受賞は、人間が本来持っている友好的な気持ちというものに、形をあたえるという努力の成果であると考えます。
改めて、受賞頂き有り難うございました。

プロフィール(略歴)
Arkadiusz Szenfeld
1973年 ポーランド生まれ
1997年 フィンランドでの国際デザインコンペティション“Bench for Jyvaskyla”にてグランプリ受賞
1999年 Cracovアカデミーオブファインアーツ卒業
現在は、Cracovのデザイン事務所にて務める。


優秀賞5名

作品名:キャタピラーフェンス
作者:原寛道

作品について
人と関わるゲートとフェンス 人は何らかの形で関係性を求める。その行為を優しく表現できるフェンスを提案する。
キャタピラーのような構造 門扉は巻き取りコンパクトに収納できる。フェンスもパーツの上下をボルトで固定するので、運搬時にはコンパクトになり取り回しがしやすい。

受賞の感想
パネル作成などの必要がない問い事で、デザイン提案に集中して時間を割くことができました。ユニークなコンペのスタイルだったことが、参加の容易さとクオリティーのアップにつながってるのではないかと思います。

プロフィール(略歴)
原寛道(ハラ ヒロミチ)
1992年 千葉大学工学部工業意匠学科卒業
1994年 千葉大学大学院工学研究科修了
1994年(株)環境デザイン研究所勤務
2000年(有)原デザイン設計室設立
2003年 千葉大学工学部デザイン工学科環境デザイン研究室助手


作品名:SPIRAL
作者:スタジオマーアン/サンチャン パク, サンモク キム(韓国出身)

作品について
ゲートとフェンスによってもたらされる境界線の特性は、それぞれが持つ機能というよりもむしろ、周囲の環境にある種のパターンを持った状況変化をもたらすという点にある。このプロジェクトで探求されるのは、繰り返される螺旋の持つ幾何学的特性であり、その目的は、フェンスとゲートが渾然一体となったダイナミックな性質を持つものを作り上げること、またフェンス&ゲートの本来の役目である安心感という安定の質を根本から揺さぶるようなものを創造するということである。
5種の異なるスチールコイル(太さ50mm)が溶接により繋げられ、合成コイルが製造される。それぞれのコイルは、本来、ゲート&フェンスとしての能力を携えている。目的地に到達するまでの通行人の動きは、周期的な障壁と出会うことによって3次元的に制御される。異質のコイルが連続的に結合する合成コイルによって、人はいつのまにかある空間から異質のコイルによって誘われる別の空間へと導かれていることを意識する。異なる年齢層、多種多様な体型、体格、身長を持った人々は、それぞれに適した大きさを持ったコイルスペースを通過することによって同種のものが選り分けられる。立ち止まる位置、視覚角度によって、それらを通過する人々は様々な幾何学的視界を体験し、連続的な曲線の変化は境界線から内部に入ってゆくという実感を経験する。
これまでフェンスといえば、単なる境界線としての役割のみ焦点が置かれ、人間と自然との間のダイナミックな動きというものに着目されることは稀であった。‘スパイラル’は、コイルの持つ特有で綿密なフィルター機能によって、よりコミュニカティブで相互浸透的な人と人、人と自然、人とモノ、空間における相互作用や動きを提案するものであると考える。

受賞の感想
人と動物、大人と子供らと自然との関係を’Fence’と言うアイラニーの対象を通じいかにしてスムースに混ぜようとの考えから始めたプロジェクトです。サイクルの異なるシンプルな軽量チューブを基本構造とし、さまざまな運動のダイナミックスを作ることができたようです。このような機会を頂きありがとうございます。

プロフィール(略歴)
サンチャン パク, パートナ, studio ma:an
1975年ソウル生まれ
2002 Master of Architecture, Columbia University, ニューヨーク

サンモク キム, パートナ, studio ma:an
1975年ソウル生まれ
2003 Master of Architecture, Columbia University, ニューヨーク

スタジオマーアン
2003 エントリー、FirstStep Housing Desing Competition, ニューヨーク
2003 デザインプロポーザル、改造レーシングカーShowRoom , ブルックリン



作品名:The scissors
作者:Rafael Iglesia(アルゼンチン出身)

作品について
通常、鉄道のつなぎ材として使用される「Quebracho」(文字通りの意味:文無し斧)という南アメリカ産の木材が9 x 9センチのグリッドに加工され、それらを組み合わせて作られている。車や歩行者のエントランスなどに用いられるシンプルな中心軸を持った回転ゲートなどに使用されるがフェンスにも使用可能である。材料はたて横2次元的に組み合わされた加工済み木材である。(木材の代わりに金属棒などを用いることも可能) 熱蒸着メッキ処理が施された金属棒、円筒状ローラーベアリング、地下水流コントロールゲート、鋼鉄製構造用ビーム、鋼鉄製円柱状支柱などの部分は現在使われている壁をそのまま使用し代用とすることができ、プラスチック製輪、曲線を描くスチール板、木製の主構造用のパーツは前もって工場で製造可能である。これらのパーツはフェンスの主構造を形作るものでスチ−ルビームと支柱の組み合わせを形成するものである。

受賞の感想
今回のデザインコンペで受賞できて大変素晴らしく光栄です。 尊敬すべき審査員の方々によって、自分の作品が日本で認められたことを聞いた瞬間、正直言って衝撃を受けました。
審査員及び関係者の方々へ深くお礼を申し上げます。

プロフィール(略歴)
1952年 10月2日にアルゼンチン、Entre Rios、Concordia生まれ

学歴:
1981年 アルゼンチン、School of Architecture.Rosario、Rosario 大学で建築学専門士号を取得

ウェブサイト:http://www.rafaeliglesia.com.ar



作品名:シリンディカル・フェンスユニット
作者:塩崎文子

作品について
枠を梁のガイドレールに沿って回転させることで柵と屋根の二つの機能を可能にします。覆いは用途によって網状のもの、殼状のもの、ルーバー状のものを選択して取り付けます。素材はスチールとアルミです。

受賞の感想
この度優秀賞をいただきましたことを光栄に思い、審査員の皆様方に感謝申し上げます。今回は仕切る形から招き入れる形への滑らかな形態変化を目的にデザインをしました。屋外のチケット売場などでの待ち時間に日よけがあればいいのにと思ったことがヒントになりました。最後になりますが相談にのって下さった方々には本当にありがとうございました。

プロフィール(略歴)
塩崎文子(シオザキ アヤコ)
1975年 山梨県出身
1999年 芝浦工業大学卒業

現在 都内デザイン事務所勤務



作品名:WAVEWALL
作者:大橋怜史

作品について
波の位相を少しずつずらして並べていくことにより、ダイナミックな力強いうねりが空間に表れます。敷地内と外を3次元的なうねりによってしきるフェンスです。影も美しく表れます。

受賞の感想
今回、少しずつ波の位相をずらしながら配置することによって生まれるダイナミックな三次元的なうねりで空間を仕切るというフェンスを提案しました。平面で構成されることの多い空間に波が生まれます。
コンペで賞をいただいたのは初めてなのでとてもうれしいです。

プロフィール(略歴)
大橋怜史(オオハシ サトシ)
1982年 栃木県生まれ
2001年 栃木県立栃木高校卒業
現在千葉大学工学部デザイン工学科3年 環境デザイン研究室所属

主に空間系のデザインに興味をもっています。