C部門参考資料
家族の概念が大きく変わりつつあります。祖父母と父母と子供たちという三世代が同居する家族から次第に核家族と言われる二世代家族が一般的になり、今ではそれさえも普通とは言えない時代になっています。
特に都会に多く見られる現象ですが現代の新しい家族の形態は独り住まいをする個家族です。

一人では家族と言わないと言えそうですが、独り住まいを家族と積極的に表現することで新しい時代の社会のあり方が見えてくると考えています。
人は家族という単位を経て地域社会につながる、という考え方が一般的でしたがインターネットがそうであるように特定の国家や地域社会を経由せずに世界の一人一人と直接接して社会に参加していくという新しい社会構造が現れています。家族という男女と血縁的なつながりを社会運営の単位としていたこれまでの社会構造がこの人間の個別化によって新らたな構造に移行しつつあると言えるのです。

こうして、急拡大しつつある個の住まいとしての住宅はこれまでの核家族のための住宅と全く異なった住宅です。独り住まいだからといって社会性がないわけではないのです。独りに見えてそこには恋人が通ってきての生活があり、友人たちが訪れての交流があり、PCの中でインターネットを通じて何千万人、何億万人の人々と関係を持っているように一人住まいの空間は自由なつながりを持つ不特定で多数の人々とリンクしているのです。

このように独り住まいとは、自分だけの住まいではありません。24時間、様々な交流を育む空間です。この空間を追及することで、新しい独り住まいの定義が生まれるのです。

このDT DESIGN AWARDS C部門ではこの新しい時代の訪れを受け止めて、単なる独り住まいの家ではなく、新しい時代の個人の生活を背景とした新しい独り住まいの形を発見していきたいと考えています。

住宅はその国の文化のあり方が大きく反映するものです。そのために一般的な家の条件をここではいっさい決めません。
それぞれの部門に共通する「特殊と普遍」というテーマによって、この部門の提案は「特殊なそれぞれの文化とそれぞれの個人の考えで、自分のためのインテリア」として提案してください。その中に我々は「普遍的な独りのための住宅」を透かし見ていきます。

そのために、面積や天井高やそれがある環境の条件などを決めません。それぞれの考えでそれらを設定して提案してください。
但し、現実に建設可能な提案にしてください。夢物語は求めていません。我々は皆さんの提案を現実の独り住まいの家として実現していきたいと考えています。

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